日本の食卓に欠かせない主食・米の価格が、かつてない高騰を続けている。農林水産省の調査によれば、2025年4月第3週の全国スーパーにおける5kgあたりの平均価格は4,220円と、前年同時期の約2倍に達し、16週連続で上昇している 。政府は備蓄米の放出や輸入拡大などの対策を講じているが、価格の高止まりは解消されていない。
異常気象と政策の影響
米価高騰の背景には、2023年の猛暑による収穫量の減少がある。高温によって米の生育が阻害され、品質も低下した 。さらに、長年にわたる減反政策や農業従事者の高齢化、労働力不足も生産量の減少に拍車をかけている 。
需要の急増と流通の混乱
一方で、需要の急増も価格高騰の要因となっている。コロナ禍明けのインバウンド需要の回復や、災害への備えとしての買いだめが需要を押し上げた 。また、流通経路の変化や在庫管理の不備も供給不足を招いている。
政府の対応と課題
政府は、備蓄米の放出や輸入拡大などの対策を講じているが、価格の高止まりは解消されていない。特に、備蓄米の放出が小規模な小売店には届きにくいとの指摘もあり、流通の改善が求められている 。
今後の見通し
専門家は、米価の高騰は一過性のものではなく、構造的な問題が背景にあると指摘している。農業政策の見直しや、流通の効率化、消費者の意識改革など、総合的な対策が必要とされている。
米は日本の食文化の中心であり、その安定供給は国民生活に直結する。政府と関係者は、早急に実効性のある対策を講じ、国民の不安を解消することが求められている。
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